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「歴史と自然美を体感」


(株)谷澤総合鑑定所
補償部  小山 勉


 皆さんは河内長野市がどんな所かを御存知でしょうか?
きっと、田舎で何も無い所だと思うのではないでしょうか。そう、はっきり言えば田舎ですし、特に何もありません、ですが河内長野市は、歴史と自然を住みながらに体感するにはちょうど良いところなのです。
  百聞は一見になんちゃら、という事で、今回は私の住むまち大阪府河内長野市の意外な良い所を皆さんにご紹介しようと思います。

  河内長野市は昭和29年4月1日、長野町、三日市村、高向村、天見村、加賀田村、川上村が合併して、大阪府内18番目の市制を施行。人口31,052人の河内長野市が誕生しました。現在、大阪府内で唯一の村、千早赤阪村との合併に向けて協議中。人口:約116,000人 世帯数:約45,600世帯。



 河内長野市は大阪府の南東端に位置し、東は金剛山地で奈良県、南は和泉山脈で和歌山県と接し、北を頂点とした三角形の市域を形づくっています。
  大阪府内で3番目に広い面積の7割は森林で、石川や石見川など河川沿いに平野が開け、北に向かって河内平野に続いています。市域の大部分は砂岩地帯、肥沃な土壌と内陸性の湿潤温暖な気候があいまって、稲や野菜、果樹の栽培に適しています。特に小山田の桃、大野のぶどう(大阪狭山市)、地酒では天野酒がお勧めのお土産です。



 ちなみに、合併予定の千早赤阪村は大阪府の南東部、南河内地域の一部を占め、金剛山を隔てて奈良県御所市、同五條市と接しており、大阪市内中心部までは直線距離で20~25kmに位置しています。また、府内最高峰を誇る「金剛山」を有する金剛生駒紀泉国定公園と南北朝の武将「楠木正成」ゆかりの神社や史跡が点在する豊かな自然と歴史と文化に抱かれた村です。人口:約6,400人 世帯数:約2,300世帯。

  では、河内長野市の名所見所(中には、遠くからわざわざ来て頂く程でも無い所もあると思いますが、近隣住民としては十分使える憩いの場所、これぞANABA)を紹介します。

  観心寺奈良時代に役小角が開き、827年に弘法大師の弟子、実恵が創立したこの寺、楠木正成幼少の頃の学問所でもあり、南朝ゆかりの寺として、また春の梅や桜、秋の紅葉、冬の雪景色としても有名です。
  広い境内には、全体の形式は和様風であるが、細部に禅宗様をとり入れた折衷様の代表として早くから取り上げられた国宝の金堂をはじめ、楠公建掛塔などの重要文化財が多数あります。

観心寺の金堂


交通案内:河内長野駅よりバス。観心寺下車。

滝畑ダム昭和56年11月に完成した多目的ダムで、周辺は自然休養村としてキャンプ場や遊歩道、釣り堀、レストラン等が整備され、緑に囲まれた湖水として知られ、毎年渡り鳥の飛来が見られます。
  特にオシドリは毎年10月下旬頃飛来し、翌年3月初旬頃まで滞留し、美しいいちょう羽で湖水を泳ぐさまは優美な情景です。

  磨崖仏滝畑ダム堰堤のすぐ北、n上約20mの岩肌に、大きな観音・地蔵両菩薩像が刻まれています。この磨崖仏は、長野郵便局長を勤めた故夏目庄吉さんが、大正末から6年余りをかけて完成したものです。


滝畑ダム

磨崖仏

交通案内:河内長野駅よりバス。ダムサイト下車。

 滝畑四十八滝滝畑周辺には、光滝、大滝、御光滝、権現滝、稚児滝、荒滝等、多数の滝が点在し、昔から滝畑四十八滝としてよく知られています。
  なかでも光滝寺の奥にある"光滝"は最も大きく、寺の名前はこの滝にちなんでつけられたと言われています。
  光滝付近にはキャンプ場があり、アウトドア気分を求めて訪れる方々でにぎわっています。

滝畑四十八滝
(左:光滝、右:御光滝)


 延命寺 弘法大師が地蔵菩薩を刻んで安置したのが起源と伝えられるこの寺は、紅葉の名所としても有名。特に樹齢1000年とも言われるカエデの巨木は、夕陽に映えるその美しさから「夕照もみじ」と呼ばれ、府の天然記念物に指定されています。


延命寺の紅葉山

交通案内:三日市町駅より東へ徒歩40分。
または南海高野線美加の台駅よりバス。
神ケ丘口下車。徒歩10分


 天野山金剛寺奈良時代に行基が開創し、弘法大師が密教の修行をしたと伝えられるこの寺は、"女人高野・天野行宮"の名で知られ、建築物や寺宝には多くの国宝・重要文化財があり、特に室町時代に造られた庭園は一見の価値があります。また、春は桜、秋は紅葉と四季を通じて樹木・草花の変化が趣深く、特に観月亭から見る中秋の名月は有名であります。

天野山金剛寺

交通案内:河内長野駅よりバス。天野山下車。

 岩湧山(897.7m) は紀見峠をはさんで金剛山に相対し、山頂は雄大な草原(8ha)が広がり、南への眺望は葛城山脈の屋根筋連峰、北には阪神方面、六甲連峰をはじめ晴天時には遠く淡路島まで眼下に入るなど展望に優れた山で、四季を通じ多くの人でにぎわいます。
  キトラと呼ばれる山頂一帯は、茅(すすき)の宝庫で、秋になると可憐な花をつけ、風にそよぐ様はここを訪れるハイキング客を和ませています。

岩湧山頂の花すすき

交通案内:河内長野駅よりバス。滝畑ダム下車。徒歩約90分。

 高野街道京の都と真言宗の聖地高野山を結ぶ街道、平安時代の天皇、公家の高野参詣や中世から盛んになる武士、庶民の高野参詣に利用されました。
  この街道には、主に三つのルートがありました。一つは東高野街道です。
  古代の官道のひとつ南海道が前身とも言われています。京から石清水八幡、洞ケ峠、生駒山西麓を南下し、河内国府、富田林寺内町を経て河内長野で西高野街道と合流します。西高野街道は堺の大小路を起点にして仁徳陵の北で竹内街道と別れ、河泉国境沿いを進み狭山のくみの木、河内長野の楠町で中高野街道と合流します。この西高野街道は京から淀川を下って大坂天満に上陸し、ここから四天王寺、住吉大社を経て堺に出、高野山に向かうコースと考えられます。
  中高野街道は平野から真っ直ぐ南下し、松原市阿保、美原町舟渡池、管生神社を経て狭山に向かい河内長野で西高野街道と合流します。更に四天王寺から真っ直ぐ狭山に向かい西高野街道と合流する下高野街道がありましたが、詳細は判っていません。
  この西高野街道と中高野街道が河内長野市の楠町で、西高野街道と東高野街道が河内長野駅前の本町で合流し、一本となって紀見峠に向かいました。

高野街道


 花の文化園平成2年9月に開園した花の文化園は、花と人の関わりの場として誕生しました。四季折々の花が楽しめる装飾花壇をはじめ、洋ランや熱帯植物等が鑑賞できるピラミッド型の大温室、ボタン園、バラ園、あじさい園等、色彩 豊かな花々が園内を飾っています。
  また、各種イベントや園芸、押し花などの講習も開催されていて、見るだけでなく参加する楽しさも味わえます。

交通案内:河内長野駅よりバス。上高向下車 徒歩15分。

 寺ヶ池公園市民の休息、散策、レクリエーション、遊戯、スポーツ等、総合的な利用を図る本市唯一の総合公園として、昭和32年に都市計画決定を行い、整備を進めています。
  寺ヶ池公園から望む景色は、南ヘ岩湧山をはじめ、葛城山脈、東は金剛山、二上山、遠くは生駒山系まで一望でき、正に借景の形容にふさわしい景色が広がっています。

寺ヶ池公園

交通案内:河内長野駅よりバス10分。赤峰下車。

 長野公園河内長野駅の東側を石川が流れ、対岸の小高い山に朱塗の回廊(青い屋根)が見えます。ここは自然を生かして整備された府営の公園で、市内が一望できる憩いの場として親しまれています。
  春になれば、山一面に桜が咲きみだれ、特に夜桜は、河内長野市の風物詩の一つとなっています。

長野公園の夜桜

交通案内:河内長野駅より徒歩7分。

 以上、ではありませんが、歴史と自然美の町、河内長野市のほんの一部を御案内しました、まだまだ他に沢山の良いところがありますので、今度のお休みはぜひご家族で出かけてみませんか?

資料提供         
河内長野市役所    
産業政策室 商工観光課