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支部役員としての責任と達成度


(社)日本補償コンサルタント協会 近畿支部
 幹事・補償基準研究委員長 川畑 清夫

平成16年6月より幹事を仰せつかり、先輩幹事の足手まといにならないようにと自分なりに頑張って活動してきたつもりでしたが、振り返ってみて、幹事として本当に役目が果たせたのであろうか、協会の為に何か一つでも役立つ事ができたのであろうか?と、疑問符の付く、あっと言う間の半年間であったような気がいたします。
 幹事になってすぐの起業者への陳情や意見交換会、先輩幹事と同行させて頂き、実際の業務の打合せ等で対応させて頂いた時とは多少違う雰囲気での話し合いを末席にて経験させて頂きました。普段の私ですと業務の打合せとは言え多少なりとも失言や過言があるのですが、さすがに支部長や副支部長、そして先輩幹事が一緒となればそれなりに言葉を選んでの発言だった?と思っています。ただ、新参者が生意気と言われるのは重々承知で申し上げると、もう少し肩の力を抜いてざっくばらんに、時には喧々諤々とやりとりをしてもいいのかなーと感じた次第ですが、すべてに出席させて頂いた訳ではありませんので、もし私の発言が間違っていればお許しください。
 幹事就任後、補償基準研究委員長の役も仰せつかり、本部の委員会に出席させて頂くと、今度は副委員長の役も受けることになり、ちょっと待ってよ、新人の身でありながらこんなに役を引き受けて他の方に迷惑を掛けないだろうか、本当に引き受けて良いのだろうかと思案する間もなく、半ば強引に?不安を抱えつつ敷かれたレールの上?に乗って、役員会等にも無遅刻、無欠席で自分なりには精一杯やらせていただいたと思っていたのですが、年末を控え補償コン協会に関する資料等を整理してみると、保留となっている事項も目につき、本当に努力したのかなーと不安になってきました。勿論、自分としてどこまでやれば合格という基準はありませんが、会員の方の一代表として、もう少し積極的に活動できなかったのか反省するばかりです。今後はISOに習って、と言うと変ですが、協会活動の中で自分なりに補償コンサルタント協会の目的に対して適切である活動方針をたて、それに沿った活動目標を設定し、しかもその目標は達成度が判定可能であるようなものとして、やっていければと考え中です。
 前回のコラムで竹村副支部長も書いておられましたが、我々の業界は大変厳しい時代を迎え、協会の役員としての活動はあるものの、自社の経営に、生き残りを掛けて全力で取り組まなければいけないのは当然であることも、ご理解頂けると思います。
 国交省が2002年に公表した「建設産業の再編の促進について」では、生き残ると見ている企業像が以下のように紹介されていますが、これは我々の業界にも言える事だと思います
 ① 技術と経営に優れた企業
 ② 再生の為に多様な企業連携を行う企業
 ③ 自主的な経営改善を行う企業
 起業者(発注者)側としても市場経済への対応を迫られれば、上記3点を実現しようとする企業を支援していく体制を進めていくと考えられます。従来のように業界全体を支援していくのではなく、生き残っていく、或いは生き残ろうとする企業のみを支援する体制に方針を変えて行くのではないかと考えられます。そうすると、企業は今後、起業者が機会均等、発注量の配分を行う余裕はないと認識すべきで、受注量の減少は必然であり、『売り上げを追求する経営から利益を追求する経営』に方向転換していく必要があると考えます。但し、この方向転換はある意味では「危険な」事にもなりかねません。それは利益を追求するあまり、「手抜き」にならないかと言うことです。補償コンサルタント業務の経費の殆どは人件費で占められており、利益が出るようにしようと思えばこの人件費を削減するのが最良の方法だからです。公共事業の削減、経済情勢の悪化等による受注量の減少に加えて、毎年下降している技術者単価のことを考えれば、容易に方向転換はできないのではないかと危惧されます。方向転換のためには、作業の合理化を行うのは勿論のこと成果品の品質を落とさないようにしていかなければなりません。
 作業の合理化の中で、虫の良すぎる話ですが「いかに簡単に、しかも手を掛けずに発注者が希望する成果品が作れるか」が問題となります。そこで、その合理化の一助となるような事が協会として出来ればと考えたとき、近畿用対連との意見交換が出来る補償基準研究委員会と、成果品の理論構成等に関する補償理論研究委員会に協力を依頼して、作業の統一化(調査から成果品の作成までマニュアル作成)、様式の統一及び簡略化、歩掛り・単価表の見直し、品質維持のためのチェックシステム等々、どこまでやれるのか又やって良いのかを協議、検討し、実現に向けて活動していきたいと考えております。
 これが活動目標であり、そのうちの一つでも実現出来れば「支部役員としての責任と達成度」に、たとえ何点でも良いから評価点を自ら付けたいと思っております。しかしながら私一人では何一つ出来るわけではありませんので、支部会員の皆様のご協力をお願いしたいと思っております。