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「書写山圓教寺」

株式会社カイヤマグチ 代表取締役 山口 政勝
 兵庫県の南西部を占める播磨地域は、風土記が変遷されるほど古来より豊かで力のある地であった。今は兵庫県の一部となり、かつての大国のおもむきは少ないが歴史や文化、豊かな食材など多くの魅力を見せてくれる。がなにせ広い。JRやバスなどを利用してゆったりお回りいただくのも風情があるが、やはり車になる。この辺りのスポットは大概駐車可能である。
 さて今回は書写山圓教寺(えんぎょうじ)、西国霊場第二十七番札所であり、弁慶ゆかりの寺としても名高い天台宗の大霊場である。
 最近、アカデミー助演男優賞に日本人俳優がノミネートされて話題となった「ラストサムライ」のロケに使われ訪れる人が増えていると聞く。
 書写山は標高371m、全域が寺の境内で豊かな自然がある。桜、若葉、夏の盛りと四季折々に見どころはあるが、珠玉はやはり紅葉の季節。11月中旬に見ごろを迎える。  
姫路市街  圓教寺へは下からロープウエイが通じている(車は入山禁止、あとは6ヶ所の登山口から歩いてもらうしかない)。最近はロープウエイの山上駅から寺の中心付近までマイクロバスもあるが、やはりここは約1kmの参道を登っていただきたい。
ロープウェイ山上駅から姫路市街をのぞむ  
中央左の山の向こうに姫路城がある。城は山にさえぎられて見えない

 急な山道を登り山門を経てさらに進めば当山の中心地、摩尼殿である。
 善男善女がここで札所巡りの朱印をいただく。目的が済めばさっと下山するのもいいが、やはり奥の院へも足を運んで欲しい。そこに至る途中に講堂、食堂(じきどう)、常行堂に囲まれた広場がある。
摩尼殿 大講堂・食堂
摩尼殿 右:大講堂 中央:食堂(ジキドウ)

 昨年のNHK大河ドラマ「武蔵」で宝蔵院の槍と武蔵が戦った場所であり、「ラストサムライ」で渡辺謙演じる勝元の居城とされた所である。そして奥の院には武蔵坊弁慶が学問をしたという護法堂拝殿などがある。往時をしのばせる伽藍である。
 さらにできれば壽量院の精進料理を予約して行かれるといい。書写塗の赤い漆器でいただく食事は、木々を渡る風や鳥の声を箸休めにしてなかなかに乙なもの、味の方は申し分ないので、是非ご賞味あれ。但し期間は4月から11月。
美術工芸館  ふもとには姫路の伝統工芸の姫路独楽や姫路張り子や前の東大寺館主、故清水公照師の泥仏や陶芸などが展示してある「姫路書写の里術工芸館」がある。そして北にある塩田温泉で疲れをとって帰るのも一興。
書写の里・美術工芸館

 なお、寺のホームページttp://www.shosha.or.jp/に圓教寺の縁起、連絡先などが詳しく掲載されている。ご参考に。